[00放映終了後]


「これはアレだよね」


「アレだな」


「アレですよねェ…やっぱり」


「アレしか無いだろおぉ！俺はアレにお花畑を見せられたんだぞ！」


「アレはお前が指示を無視して勝手に突撃して、挙句蜂の巣になったからだろーが」


「ぬわんだとぉ！？」


「まぁまぁ、皆さんちょっと落ち着いて…」


「そうだよ太田さん。ひろみちゃんだって溺れかけたんだし…」


「溺れかけたのはほぼ全員ですけどね」


「いえ、僕最後の方は全然役に立てて無いですし…対戦車ライフルも捨ててしまって…」


「気にすんなって。命あっての物種だよ、イ・ノ・チ」


「だが援護が効果的でなかったお陰で、アレを始末するのに一苦労だったぞ」


「元はと言えば浸水させたのだってお前のせいじゃねーか」


「何ィ！？」


「あーもー！喧嘩はよそうよー！」


「アレ？皆何見てんの？当直終わりだよねえ？」


「あ、隊長。今例の新アニメを皆で見ていたんですが、その中に気になる物がありまして…」


「んあ、そうだ。隊長、ちょっとこれを見て下さい」


[視聴中]


「あー、こりゃ確かにアレだわ。実物は残骸しか見た事無いけど…で、何か問題なの？」


「やはり…公然とデザインを盗用するとは許せんッ！」


「盗用ってまた大きく出たねえ…細部とか大分違うし、これをそのままパクリというのもどうかと思うがなぁ…」


「自分もそう思います…アレに比べればデザインもそんなに怖くないかなって…はは」


「んー、言われてみればそんなに目くじら立てる程の事でもないよーな…」


「何だ何だ貴様ら！何を言っとるか！ここまで露骨に形状を真似られて黙っとる訳にはいかん！」


「著作権法違反で逮捕でもする気なんですか、全く…」


「隊長は今回の件、どう思います？」


「真実が分からない以上、我々が騒ぎ立てる訳もいかん」


「ですがッ！」


「お前ももうちょっと大人になりなさいよ。所詮、アニメなんだからさ。
ま、一応資料は俺の方で預かっておく。異論は無いな、太田？」


「まあ、そう仰られるなら…」


「お前達、いい歳してアニメ話に花咲かせてるんじゃないよ、明日も早いんだから。
出動に備えて、はい解散～」


「…似てる」


アレ